場所は遊園地。
学生旅行中(多分高校)。
一人の男の独白から始まる。
彼には不思議に思うことがある。
同級生のカップルがいる。
彼は彼女を「皆で見て回ろう」と誘う。
彼女はうれしそうな顔をする。
そこへ彼氏が現れて観覧車に乗ろうと彼女を誘う。
彼女は露骨に嫌な顔をし、彼氏はその顔をにやにや眺めている。
彼女の方は彼氏を嫌っている様なのに、どうして別れないのだろう。
彼氏視点に移る。
二人はその後結婚。
彼は仕事以外はほとんど外出しない。
彼には昔から、空から降り注ぐ灰の様な黒い粒が見えていた。
それは人に触れると、カスタードクリームに見えるバニラビーンズの様に、
少しずつ足元から蓄積していく。
やがて、頭の先まで真っ黒になると、その人は死んでしまう。
ある日、彼は妻と外出する。
公園で遊んでいる妻。
彼女はまだ膝上ぐらいまでしか染まっていない。
ふと空を眺めると何かがゆっくり、ゆらゆらと落ちてくる。
男の生首。全体的に煤けたような感じで、髪は長く、切断面は赤黒い。
他の人には見えていないようだ。
生首が彼女の頭に絡みつく。
みるみるうちに、彼女は全身が黒くなり死んでしまった。
彼はそれ以降の数年間、家から出ることは無くなった。
数年後、生首が他の人々に見えるようになり始める。
生首がきた人は死んでしまう。
人々は生首を防ぐ帽子を考える。
素材は皮、ダックスフンドの様な長い耳かけがあり、不思議な模様が描かれている。
それを着けることで、人々は生首から逃れることが出来るようになった。
・・・という話を、私は店主から聞いている。
店主は、不思議な帽子について私に説明してくれていた様だ。
私はそれをかぶってみる。そんなヨタ話を信じたわけではない。
ふと上を見上げると天井が無くなっていて青空が見える。生首も。
怖ろしくなって帽子が脱げないように、耳かけを引っ張る。
「これはこのためについていたのか」と納得する。
怖くて目を瞑っていると、頭の周りを首が回っている気配がする。
しばらくすると気配は無くなる。
店主が私に何か話しかけてくる。
憶えているのはここまで。
店主の台詞を憶えていないのが悔やまれます。
学生旅行中(多分高校)。
一人の男の独白から始まる。
彼には不思議に思うことがある。
同級生のカップルがいる。
彼は彼女を「皆で見て回ろう」と誘う。
彼女はうれしそうな顔をする。
そこへ彼氏が現れて観覧車に乗ろうと彼女を誘う。
彼女は露骨に嫌な顔をし、彼氏はその顔をにやにや眺めている。
彼女の方は彼氏を嫌っている様なのに、どうして別れないのだろう。
彼氏視点に移る。
二人はその後結婚。
彼は仕事以外はほとんど外出しない。
彼には昔から、空から降り注ぐ灰の様な黒い粒が見えていた。
それは人に触れると、カスタードクリームに見えるバニラビーンズの様に、
少しずつ足元から蓄積していく。
やがて、頭の先まで真っ黒になると、その人は死んでしまう。
ある日、彼は妻と外出する。
公園で遊んでいる妻。
彼女はまだ膝上ぐらいまでしか染まっていない。
ふと空を眺めると何かがゆっくり、ゆらゆらと落ちてくる。
男の生首。全体的に煤けたような感じで、髪は長く、切断面は赤黒い。
他の人には見えていないようだ。
生首が彼女の頭に絡みつく。
みるみるうちに、彼女は全身が黒くなり死んでしまった。
彼はそれ以降の数年間、家から出ることは無くなった。
数年後、生首が他の人々に見えるようになり始める。
生首がきた人は死んでしまう。
人々は生首を防ぐ帽子を考える。
素材は皮、ダックスフンドの様な長い耳かけがあり、不思議な模様が描かれている。
それを着けることで、人々は生首から逃れることが出来るようになった。
・・・という話を、私は店主から聞いている。
店主は、不思議な帽子について私に説明してくれていた様だ。
私はそれをかぶってみる。そんなヨタ話を信じたわけではない。
ふと上を見上げると天井が無くなっていて青空が見える。生首も。
怖ろしくなって帽子が脱げないように、耳かけを引っ張る。
「これはこのためについていたのか」と納得する。
怖くて目を瞑っていると、頭の周りを首が回っている気配がする。
しばらくすると気配は無くなる。
店主が私に何か話しかけてくる。
憶えているのはここまで。
店主の台詞を憶えていないのが悔やまれます。
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